今度、視覚障害のある方とデート(おでかけ)に行くことになったけれど、どこに行ったら一緒に楽しめるのだろう…?
どこかおすすめの場所はないかな…?
そんな風に悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も視覚障害のある夫と暮らしているので、デートするにはどこがいいんだろう?と悩みました。
そこで、この記事では視覚障害のある方とのデートおすすめ場所や、実際に私が視覚障害のある夫とデート(おでかけ)に行った場所をご紹介していきます!
この記事を読むと、あなたも視覚障害のある方とのデートプランを考えられるようになると思います♪
執筆者:視覚障害(網膜色素変性症)の夫ありの30代女性
視覚障害の方とのデートで気をつけたいこと3選
視覚障害のある夫と筆者が実際にデートに行った場所おすすめ3選
視覚障害の方とのデートで気をつけたいこと3選!
まず、視覚障害の方とデートに行く際に、気を付けたいことがあるのでご紹介しますね。
お出かけするにあたり、次の3つのことを気を付けていればデートがより楽しめると思います!
①移動が大変でない場所
②視覚だけでなく、香りや音も楽しめる場所
③自分たちが楽しめる場所
の3つがあるので、順番にご紹介していきますね。
視覚障害の方とのデート注意点①移動が大変ではない場所に行く
視覚障害児の三大不自由は、①歩行 ②日常生活動作 ③文字の処理と言われています。
目が見えない・見えにくいとお出かけすることも大変なんですね。
自分の慣れ親しんだ家を出て、外出すること自体に既にハードルがあるのです。
そのため、移動手段は安全に確保しましょう。
デート相手の視力・視野がどれくらいにも影響しますが、
・視覚障害のある方の自宅付近(もしくは自力で行きやすい慣れた場所)で待ち合わせする
・目的地までの移動をサポートする
・目的地についてからも移動をサポートする
ことは必須です。
~移動がスムーズにいった例~
私と夫の初デートは映画でした。
映画館は夫の自宅付近かつ慣れた場所であり、一人で行けるところだったので、映画館の前で待ち合わせしました。
夫(網膜色素変性症・弱視)は、当時夜盲が既にひどかったので、映画館は暗くて一人での移動はかなり困難でした。
そのため、映画館には入らず入り口で待ち合わせをしたと思います。
映画館の中で階段を昇って席まで行く際も、夫は暗闇で見えないので手を繋いで階段を昇り席まで誘導しました。
(歩行介助という名前の手繋ぎでしたが、二人ともとてもドキドキしました^^)
映画館の階段は比較的規則的なので、スムーズに移動できました。
視覚障害のある方は足が悪いわけではないので、段差があることが事前に分かっていれば怪我をせずにすみます。
~目的地での移動に失敗した例~
先日、夫と群馬県の赤城山の小沼というところに行きました。
小沼周辺は1キロほどで、一周30~40分程度なので、お散歩に丁度よいかなと思って一緒に行ってみました。
しかし、小沼に降りるまでに不規則な階段が続き、小沼周辺も凹凸の道が多く、夫は転んだり木にぶつかってしまいました。
不規則な階段だと、夫にとっていつ段差があるのか分かりにくいし、誘導する側も説明しづらいです。
また、山の中なので木が不規則に生えていて、頭上にぶつかってしまったり、危なかったです。
結局歩くのは難しそうということで、二人で道を引き返しました。
自然を感じられるところを歩きたかったのですが、もう少し整備されているのか、事前に調べてから行くべきでした…。
視覚障害の方とのデート注意点②視覚だけでなく、香りや音も楽しめる場所に行く
視覚障害と言っても、全盲や弱視、視野狭窄、夜盲など、困っていることは人それぞれです。
しかし、視力がかなり低下している場合は、香りや音なども楽しめる場所に行くのはおすすめです。
視覚以外の聴覚・嗅覚・味覚・触覚などで楽しめる内容を意識してみましょう!
夫は網膜色素変性症(進行性の難病)で、現在視力は左目のみで読み書きがなんとかできる程度です。
~デートが楽しめた例~
春にバラ園に二人でデートに行きました。
バラ園に入ると、ふわっとバラの良い香りがして、
「いい香りがするね~」と二人でバラ園の散策を楽しみました。
バラは種類によって香りも異なるので、色々なバラの匂いの違いを嗅いでみたり、とても楽しい体験ができました^^
また、薔薇ソフトクリームも販売されていたので、バラ園を見た後は一緒に薔薇ソフトクリームも食べました。
素敵な香りと味を楽しみ、とても素敵なデートになりましたよ♪
また、目が見えにくい・見えなくても、配慮をすることで楽しさや美しさを共有することはできると思います。
下に紹介しているのは、夫が以前、ある蛍の里の関係者の方からいただいたお手紙です。
目が見えない・見えにくい方と楽しさ、美しさを共有するためのヒントが書かれているので、参考にされてください。
毎年ほたるの飛ぶ様子を見るために、たくさんの人が「ほたるの里」を訪れます。でも、見えにくさを抱えた人が来ても、ほたるを楽しむ事はできるのでしょうか。
見えにくさには様々あります。たとえば小さいものは見えにくいが、拡大すれば見えるという人もいれば、小さいものまで見えるけれども視野が狭いために、特に動きのある物はとらえにくいという人もいます。全く見えない人もいれば、明るさと暗さの変化は感じるという人もいます。
さて、拡大しなければ見えない人や視野が極めて狭い人は、飛んでいるほたるを見つけることが困難だと思います。このような人には、本来良くないことですが、特例として一匹のほたるを手のひらに乗せてあげれば見ることができます。
全く見えない人は、今飛んでいるほたるを見る事はできません。でも、あるときから見えなくなった人は、見えていた経験があるので、適切な解説をすれば想像して楽しむことができると思います。しかし、生まれた時から物を見た経験がないという人は、過去の経験から想像するということができません。
そこで私なら次のような支援をします。まず、ほたるの大きさの小石を用意し、手で触って大きさを確認してもらいます。そして、この大きさの虫が夜の暗闇の中で明るくなったり暗くなったりしながらゆっくりと空中を飛んでいると説明します。
その人は生まれた時から物をみることがないのですから、暗闇とか明るくなったり暗くなったりするということの実感はないはずです。それでも、そのように説明します。そして、小石を持っているその人の手を取って、ほたるが飛ぶ早さや高さでその手を動かします。こうすれば、ほたるの光を想像することができなくても、どんな大きさの虫がどのくらいの速さで移動するのかを想像することができるはずです。そして、その様子がとてもきれいで幻想的だと付け加え、私の感動を伝えます。
ところで、見えない人には見えない人なりの楽しみ方があるようです。私の知っている視覚障害の人たちは、ビデオを好んでみていました。大相撲やプロ野球、サッカーのJリーグなどの観戦にも好んで出かけていきました。その人たちは、ラジオを聴きながら観戦し、ラジオの説明を聞きながら想像力をたくましくして楽しんでいるのだと思います。見えない人にはスポーツ観戦はできない物ではないということです。またある人は、国技館やサッカー場で声援やどよめきの中に身を置くと、観衆との一体感が漏れるので嬉しいと言っていました。見えなくてもゲームの状況を想像し、周囲の観衆との一体感に喜びを感じるという楽しみ方があるようです。
田口町の「ほたるの里」も適切な配慮と支援をすることによって、見えない人や見えにくい人にたくさんの楽しみを提供できると思います。そして、視覚に障害がある人ばかりでなく、どんな人に対しても優しい「ほたるの里」であったら素敵だなあと思います。
引用:みんなに優しい「ホタルの里」
夫は夜盲や視野障害・視力低下もあったので、夜に蛍を見ることは困難だと、夫も私自身も思っていました。
しかし、いただいたお手紙を読んで、とても嬉しい気持ちになり、ホタルの里に行ってみることにしました。
結果、特例として一匹のほたるを手のひらに乗せてもらい、蛍を見ることができました。
夜に飛ぶささやかな光も「今見えたかも!」と美しさを共有することができました。
その時に、適切な配慮と支援があれば、見えない人や見えにくい人とも、たくさんの楽しみを共有することができるんだなぁと学ばせていただきました。
視覚障害の方とのデート注意点③二人が楽しめる場所に行く
色々な注意点を書かせてもらいましたが、自分たちが楽しめる場所に行きましょう!
視覚障害のある方とのデートだから、配慮することはあります。
しかし、一番大事なのはデート(おでかけ)を楽しもうとする気持ちです。
視覚障害のある方だから、○○しないと…○○が危ないのでは…
と考えることも大切ですが、配慮だけに集中してしまうと、それはデートではなく介護です。
せっかくのデート(お出かけ)なので、自分たちが二人で楽しむことを忘れずに^^
お互いの知らないところを知り合ったり、一緒の時間を過ごすこと、楽しさを共有することに意味があるのです。
そうして一緒の時間を過ごすうちに、相手の意外なところを知って、素敵なところを知って、お互いの関係を深めていきましょう。
逆に関係が冷める場合ももちろんあります(笑)
障害があろうがなかろうが、1対1の関わりです。
2人で思いっきり楽しみましょう!
視覚障害のある夫と実際にデートに行ったおすすめの場所3選!
では、続けて視覚障害のある夫と筆者が実際にデートに行ったおすすめの場所3選をご紹介しますね。
①映画
②敷島公園門倉テクノばら園
③赤城自然園
の3つがあるので、順番にご紹介していきます!
①映画
まず、1つ目におすすめは映画です。
(夫との初デートが映画だったので、思い入れがあります(笑))
映画というと、目が見えなかったら楽しめないんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
当時、夫は弱視でしたが映画のスクリーンを見る視力はありました。
しかし、視野狭窄のため、スクリーンに近い席に座ってしまうとスクリーン全体が視野に入りませんでした。
そのため、一番後ろの席に座れば一緒に映画を楽しむことができました。
(チケットを取る際に、どこの席が空いているのかを確認して、後ろの方の席を選びました)
インサイドヘッドという心温まるストーリーで、一緒に涙を流して共感しました。
このように、その人にとって適切な配慮をすれば一緒に楽しむことができると思います^^
最近は音声ガイドも充実しているようです。
「HELLO! MOVIE」というアプリで、無料で映画の音声ガイド・字幕ガイドを利用することができるスマートフォン・スマートグラス向けアプリもあるそうです。
夫は実際には使用したことがないのですが、映像でしか伝わらない場面や登場人物の表情などの情報を逐一音声で解説してくれる音声ガイドだそうです。
そのため、全盲の方や視力低下が著しい方は、アプリを使用すれば一緒に映画を楽しむこともできるのではないでしょうか。
②敷島公園門倉テクノばら園
続けておすすめなのは、群馬県前橋市にある敷島公園門倉テクノばら園です。
住所 | 群馬県前橋市敷島町262 |
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入園料 | 無料 |
例年の見頃 | 春:5月中旬~6月上旬まで
秋:10月中旬〜11月中旬まで |
定休日 | 12月29日から翌年1月3日 |
駐車場 | 有 無料 |
電話番号 | 027-232-2891 |
公式HPなど | HP:こちら
インスタ:こちら X(旧Twitter):なし |
アクセスマップ |
春と秋のバラがとてもきれいで、昭和レトロなばら園”をテーマに、約600種7,000株のバラを楽しむことができます。
しかも入場料は無料!!
先ほどご紹介したように、香りも楽しめて、薔薇ソフトクリームも美味しいのでぜひ行ってみてくださいね!
実際に行った感想は敷島公園バラ園(前橋)の開花状況と一緒にこちらの記事で紹介しています♪
③赤城自然園
続いておすすめしたいのは、群馬県渋川市赤城町にある赤城自然園です。
住所 | 群馬県渋川市赤城町南赤城山892 |
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駐車場 | 無料駐車場あり |
電話・問い合わせ | 0279-56-5211 |
公式HPなど | HP:赤城自然園
インスタ:赤城自然園 X(Twitter):赤城自然園 |
アクセスマップ |
自然を感じながらハイキングが出来ます!
しかも障害手帳提示で本人も付き添いも入場無料!!
なだらかなアップダウンはあるものの、不規則な段差などはなく、とても良く整備されています。
チップが撒かれていて膝にも優しく歩きやすい道です。
視覚障害のある方は運動不足にもなりがちです。
ハイキングデートしたい方はぜひおすすめですよ^^
赤城自然園に実際に行った感想はこちらの記事で紹介しています♪
ちなみに、視覚障害があっても自然を感じながらハイキングしたい!という方は、埼玉県の宝登山や群馬県の一ノ倉沢のハイキングコースもおすすめです。
両方とも、車道のような登山道で滑落の心配がありません。
実際に視覚障害のある夫も行きましたが、とても良い運動になりましたよ♪
まとめ
以上、視覚障害のある方とのデートおすすめ場所や、気をつけたいことなどをご紹介してきました。
<視覚障害のある方とのデートおすすめ場所>
①映画館
②敷島公園門倉テクノばら園
③赤城自然園
<視覚障害のある方とのデートで気をつけたいこと>
①移動が大変でない場所
②視覚だけでなく、香りや音も楽しめる場所
③自分たちが楽しめる場所
私も、視覚障害のある夫と一緒にいて5年以上経ちますが、うまくデートが出来る時もあれば、失敗してしまうこともあります。
失敗しても次で活かせばよいのです^^
視覚障害があっても、見え方や感じ方は人それぞれ。
性格もみんな異なるので、当たり前ですが全く同じ人はいません。
コレ!と言った正解はないのです。
お互いが思いやる気持ちがあれば、2人の関係は深まっていくでしょう♪
たくさん楽しいデートを重ねてくださいね。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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